ブレイクスルー感染って何?新型コロナウイルスワクチンの情報で気になるものを調べました。

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Photo by CDC on Unsplash

新型コロナワクチン接種はかなり進んできており、私の周りの親族も全員接種が完了しました。

日本では全人口(接種非対象者も含む)に占める接種人数は1回目接種完了が61.9%、2回目接種完了が49.8%(政府 首相官邸情報2021年9月10日)と、国民の約半分はワクチン接種が完了しています。

そんな中、気になるのが「ブレイクスルー感染」という言葉。

今回はブレイクスルー感染について、自分なりに調べてみました。

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ブレイクスルー感染

ブレイクスルー感染(a vaccine breakthrough infection)は、CDC(米国疾病対策センター)で「米国食品医薬品局(FDA)が認可したCOVID-19ワクチンの推奨用量をすべて完了してから14日以上経過した人から採取した呼吸器検体から、SARS-CoV-2のRNAまたは抗原が検出された場合」と定義されています。

ワクチンの2回目接種が完了してから14日以上経過した後に感染した場合をブレイクスルー感染」といいます。

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2021年9月版)」では、『日本では、B.1.617.2 系統の変異株(デルタ株)は、変異株PCR検査での陽性率(機械的な試算)が、全国的に約90%となっています。直近では、各地で 10 割に近い状況と推計されており、 B.1.1.7 系統の変異株(アルファ株)からほぼ置き換わったと考えられます。』とあり、日本では、新型コロナウイルス感染症の感染はデルタ株によるものとなっています。

デルタ株は、従来株より感染性が高い可能性ワクチン効果や抗体医薬の効果を弱める可能性があると厚生労働省の資料に記載されています。

ワクチンの効果として、重症化阻止効果、発病阻止効果、感染阻止効果があげられますが、デルタ株の流行により、感染阻止効果が薄れていると考えられます。

アメリカでのブレイクスルー感染状況

CDCのホームページ(https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/health-departments/breakthrough-cases.html)に「2021年9月7日時点でCDCに報告されたCOVID-19ワクチンによるブレイクスルー症例のうち、入院または死亡したもの」として、次の情報が記載されています。

  • 米国では1億7,600万人以上がCOVID-19のワクチンを完全に接種している。
  • 米国の49の州および地域から、COVID-19ワクチンによるブレイクスルー感染症の患者14,115人が入院または死亡したとの報告を受けた。
アメリカのブレイクスルー感染の死者、入院の内訳

これらのデータの解釈について、CDCのレポートに次のように記載されています。

CDCに報告されたCOVID-19ワクチンによるブレイクスルー感染の数は、完全にワクチンを接種した人のすべてのSARS-CoV-2感染、特に無症候性または軽度の感染の過少カウントである。国のサーベイランスは、受動的かつ自発的な報告に依存しており、データは完全ではなく、代表的なものでもない。これらのサーベイランスデータはスナップショットであり、ワクチンブレイクスルー症例のパターンを特定し、シグナルを探すのに役立ちます。

入院または死亡したワクチン・ブレークスルー感染症患者に関する情報は、今後も更新される予定です。米国の複数の施設では、全国的なサーベイランスを補完するために、臨床状態にかかわらず、すべてのワクチン・ブレークスルー感染に関する情報を含む研究が行われています。

COVID-19 Breakthrough Case Investigations and Reporting より引用、Deeple翻訳使用

CDCのレポートでは、ワクチンの有効性について次のように記載されています。

【COVID-19 ワクチンは有効】
現在までのところ、報告されたワクチン・ブレークスルー感染者の症例の属性やワクチンの特徴に、予想外のパターンは確認されていません。
COVID-19 ワクチンは有効です。CDCは、12歳以上のすべての人に、できる限り早くCOVID-19ワクチンを接種することを推奨しています。
完全にワクチンを接種している人が感染した場合(すなわち「ブレイクスルー感染」)、他の人に感染する危険性があります。
そのため、ワクチンを接種していてもしていなくてもCOVID-19の感染率が高い地域に住んでいる人は、たとえ完全にワクチンを接種していても、屋内の公共の場にいるときはマスクを着用したほうが、より安全です。
免疫不全の人は、完全にワクチンを接種していても保護されないことがあり、画期的な感染を起こす可能性が高くなります。予防接種を受けていない人に推奨されているすべての予防措置を、医療従事者から別の指示があるまで継続して取る必要があります。

COVID-19 Breakthrough Case Investigations and Reporting より引用、Deeple翻訳使用

新型コロナワクチンQ&Aの情報

新型コロナワクチンQ&Aのコラム(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0006.html)に「ワクチン接種後のブレークスルー感染」 なぜワクチンと感染予防対策の両方が必要なのか という題でブレイクスルー感染について、詳しく記載されていました。

新型コロナウイルス感染症の場合は、「鼻や喉の粘膜に侵入したウイルスは、そこですぐに増殖を始め呼吸器粘膜を傷害して、数日で発病(発症)します。ワクチンを接種して血液中に抗体があっても、呼吸器粘膜の感染を防ぐことは難しいし、発病を防ぐことも十分ではありません。でも抗体は肺の中に滲み出てきて肺炎を起こさないようにブロックすることで、重症化を防ぎます。」とありました。

ワクチンの効果として、重症化阻止効果、発病阻止効果、感染阻止効果があげられますが、新型コロナワクチンは、少なくとも重症化阻止効果は維持しており、ブレイクスルー感染になった場合でも重症化率は低いと考えられます。

まとめ

ワクチンを接種しても感染することを完全に防げることはありません。ただ、ワクチンを接種していることで、感染しても重症化や死亡リスクは減少します。

ワクチン接種とマスク・手洗い等の飛沫感染予防、接触感染予防を行うことで、自分も周りも感染を防ぐことができます。

これからも感染対策を行いつつ、なるべく早く日常が戻ることを願います。

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