厚労省公式情報「新型コロナウイルス感染症の”いま”」を2020年10月と2021年8月のデータを比較してみました。

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新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言は21都道府県に拡大し、いまだ感染状況の収まりが見えませんね。今回、新たな情報がないかと厚生労働省のホームページを確認したところ、「新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識」という資料がありました。

この資料は2020年10月29日に作成され、2021年8月6日に更新されています。現在新旧の資料が同じページに掲載されていましたので、2020年10月29日現在の情報と2021年8月6日の情報を比較してみました。

今回確認した資料は次の2つです。

  • 新型コロナウイルス感染症の”いま”についての10の知識https://www.mhlw.go.jp/content/000689773.pdf
  • 新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf
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新型コロナウイルス感染症の患者数・病原性

1.日本での新型コロナウイルス感染症の診断数

日本では、これまでにどれくらいの人が新型コロナウイルス感染症と診断されているか。という質問の回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
日本では、これまでに約96,000人が新型コロナウイルス
感染症と診断されており、
これは全人口の約0.08%に相当します。
年代別では20代で最も多く、20代人口の約0.2%に相当します。

※ 感染していても症状が現れず医療機関を受診しない人などがいるため、必ずしも感染した人すべてを表す人数ではありません。
※ 人数は2020年10月27日時点
日本では、これまでに922,312人が新型コロナウイルス
感染症と診断されており、これは全人口の約0.7%に相当します。

※ 感染していても症状が現れず医療機関を受診しない人などがいるため、必ずしも感染した人すべてを表す人数ではありません。
※ 人数は2021年8月1日0時時点

2020年10月と2021年8月を比較すると、感染者数は約9倍となっています。

アルファ株(イギリス型)およびデルタ株(インド型)の流行によって、初期のウイルスより感染力が上がり、感染者も増えているのがうかがえます。

国内の発生状況などに関する最新の情報は、以下のリンクから参照できるようです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html

2.重症化および死者の割合

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や脂肪する人はどれくらいですか。という質問に対する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。
重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、6月以降に診断された人の中では、
・重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、
・死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっています。
※「重症化する人の割合」は、新型コロナウイルス感染症と診断された症例(無症状を含む)のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った症例または死亡した症例の割合。
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。
重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、2020年6月以降に診断された人の中では、
・重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、
・死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっています。
※「重症化する人の割合」は、新型コロナウイルス感染症と診断された症例(無症状を含む)のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った症例または死亡した症例の割合。

こちらのデータは2020年10月22日の第11回アドバイザリーボード資料のデータが掲載されており、情報の更新はないようです。

3.重症化リスクのある人

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化しやすい人はどんな人ですか。という質問に対する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、高齢者基礎疾患のある方です。
重症化のリスクとなる基礎疾患には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満があります。
また、妊婦や喫煙歴なども、重症化しやすいかは明らかでないものの、注意が必要とされています。
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、高齢者基礎疾患のある方一部の妊娠後期の方です。
重症化のリスクとなる基礎疾患等には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙があります。

2020年10月現在では、重症化しやすいのは高齢者、基礎疾患のある方のみでしたが、2021年8月では一部の妊娠後期の方が追加されています。

また重症化のリスクとなる基礎疾患として、慢性閉塞性肺疾患、満船腎臓病、糖尿病、高血圧、心疾患、肥満、に喫煙が追加されています。

2020年10月現在でも妊婦、喫煙歴は注意すべき対象ではありましたが、データが集まり、重症化しやすいことが分かったのだと思います。

30代と比較した各年代の重症化率(無症状を含む新型コロナウイルス感染症と診断された症例のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った場合の症例または死亡した症例の割合)は次の通りで、こちらの表の変更はありませんでした。

年代10歳未満10代20代30代40代50代60代70代80代90歳以上
重症化率0.5倍0.2倍0.3倍1倍4倍10倍25倍47倍71倍78倍
30歳代と比較した場合の各年代の重症化率

ニュースを見る限り、高齢者へのワクチン優先接種により、高齢者の重症患者の増加は以前より少なくなっている気がします。

4.日本と海外の新型コロナウイルス感染症の診断数

海外と比べて、日本で新型コロナウイルス感染症と診断されている人の数は多いのですか。という質問に対する回答は、次の通りです。

2020年10月2021年8月
日本の人口当たりの感染者数、死者数は、全世界の平均や主要国と比べて低い水準で推移しています。日本の人口当たりの感染者数、死者数は、全世界の平均や主要国と比べて低い水準で推移しています。

文言はまったく同じでしたが、その下のグラフは更新されていました。2021年7月31日までのグラフです。日本の感染者数は増加傾向にあるのは間違いありませんが、世界からみるとまだ少ない方のようです。

厚生労働省資料 新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識より

新型コロナウイルス感染症の感染性

5.新型コロナウイルスの他の人に感染させる可能性がある期間

新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させてしまう可能性がある期間はいつまでですか。という質問に対する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。※
また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられています。
このため、新型コロナウイルス感染症と診断された人は、症状がなくとも、不要・不急の外出を控えるなど感染防止に努める必要があります。 ※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版より
新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。※
また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられています。
このため、新型コロナウイルス感染症と診断された人は、症状がなくとも、不要・不急の外出を控えるなど感染防止に努める必要があります。 ※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第5.2版より

他の人への感染について、発症の2日前から発症後7~10日間程度という情報は変化がないようです。

6.新型コロナウイルス感染症の他の人への感染について

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、どれくらいの人が他の人に感染させていますか。という質問に対する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられています。
このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができます。
体調が悪いときは不要・不急の外出を控えることや、人と接するときにはマスクを着用することなど、新型コロナウイルスに感染していた場合に多くの人に感染させることのないように行動することが大切です。
※ マスクの着用により、感染者と接する人のウイルス吸入量が減少することがわかっています。(布マスクを感染者が着用した場合に60-80%減少し、感染者と接する人が着用した場合に20-40%減少。)
Ueki, H., Furusawa, Y., Iwatsuki-Horimoto, K., Imai, M., Kabata, H., Nishimura, H., & Kawaoka, Y. (2020). Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of
SARS-CoV-2. mSphere, 5(5), e00637-20.
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられています。
このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができます。
体調が悪いときは不要・不急の外出を控えることや、人と接するときにはマスクを着用することなど、新型コロナウイルスに感染していた場合に多くの人に感染させることのないように行動することが大切です。
※ マスクの着用により、感染者と接する人のウイルス吸入量が減少することがわかっています。(布マスクを感染者が着用した場合に60-80%減少し、感染者と接する人が着用した場合に20-40%減少。)
Ueki, H., Furusawa, Y., Iwatsuki-Horimoto, K., Imai, M., Kabata, H., Nishimura, H., & Kawaoka, Y. (2020). Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of
SARS-CoV-2. mSphere, 5(5), e00637-20.

記載されている文言はまったく同じのようです。デルタ株が流行してから、少人数の会合でも感染している例が報告されているので、印象としては、感染力は2020年10月に流行していた株より現在のデルタ株の方が感染力が高い気がします。ただ、公式データでは同じ表現のようです。

7.新型コロナウイルス感染症の感染予防策について

新型コロナウイルス感染症を広げないためには、どのような場面に注意する必要がありますか。という質問に対する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
新型コロナウイルス感染症は、主に飛沫感染や接触感染によって感染するため、3密(密閉・密集・密接)の環境で感染リスクが高まります。
このほか、飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間におよぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりといった場面でも感染が起きやすく、注意が必要です。
新型コロナウイルス感染症は、主に飛沫感染や接触感染によって感染するため、3密(密閉・密集・密接)の環境で感染リスクが高まります。
このほか、飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間におよぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりといった場面でも感染が起きやすく、注意が必要です。

記載されている文言は同じです。ワクチン接種が進んでも、2回目接種を終えて2週間が経過した方の感染(ブレイクスルー感染)が報告されており、飛沫感染や接触感染を防ぐ必要は変わりありません。

新型コロナウイルス感染症に対する検査・治療

8.新型コロナウイルス感染症を診断するための検査

新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。という質問に関する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、いずれも被検者の体内にウイルスが存在し、ウイルスに感染しているかを調べるための検査です。
新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭ぬぐい液だけでなく、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっています。
なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。
新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、いずれも被検者の体内にウイルスが存在し、ウイルスに感染しているかを調べるための検査です。
新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭ぬぐい液だけでなく、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっています。
なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。

記載されている文言は同じです。特に対象者の変更はありませんでした。

9.新型コロナウイルス感染症の治療

新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するのですか。という質問に対する回答は次の通りです。

2020年10月2021年8月
軽症の場合は経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行います。
呼吸不全を伴う場合には、酸素投与ステロイド薬(炎症を抑える薬)・抗ウイルス薬※1の投与を行い、改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行うことがあります※2。
こうした治療法の確立もあり、新型コロナウイルス感染症で入院した方が死亡する割合は低くなっています。
発熱や咳などの症状が出たら、まずは身近な医療機関に相談してください。
※1 新型コロナウイルス感染症の治療として承認を受けている抗ウイルス薬として、国内ではレムデシビルがあります。(10月29日時点)
※2 集中治療を必要とする方または死亡する方の割合は、約1.6%(50歳代以下で0.3%、60代以上で8.5%)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版より抜粋・一部改変
軽症の場合は経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行います。
呼吸不全を伴う場合には、酸素投与抗ウイルス薬ステロイド薬(炎症を抑える薬)、免疫調整薬中和抗体薬※1の投与を行い、改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行うことがあります※2。
こうした治療法の確立もあり、新型コロナウイルス感染症で入院した方が死亡する割合は低くなっています。
発熱や咳などの症状が出たら、まずは身近な医療機関に相談してください。
※1 国内で承認を受けている治療薬として、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブ、ロナプリーブ(2021年7月19日新たに特例承認)があります。 (2021年8月2日時点)
※2 集中治療を必要とする方または死亡する方の割合は、約1.6%(50歳代以下で0.3%、60代以上で8.5%)

2020年10月現在では、使用できる薬剤がレムデシビルのみでしたが、現在はそれに加えてデキサメタゾン(ステロイド剤)、バリシチニブ(免疫調整薬)、ロナブリーブ®(抗体カクテル製剤・中和抗体)が増えました。

軽症・中等症でも使用できるロナプリーブが特例承認されたことで、軽症の段階から治療できるというのは、とても素晴らしいと思います。ただ、薬剤の数が限られているため、すべての人に使用できる環境ではないのが、課題ではあります。

10.新型コロナウイルス感染症に対するワクチンについて

2020年10月現在では、ワクチンがまだ使用されていないようでした。そのため、ワクチンに関する情報は大きく異なります。

2020年10月2021年8月
【新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発状況について】
現在、新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、早期の実用化を目指し、国内・海外で多数の研究が精力的に行われています。通常より早いペースで開発が進められており、既に臨床試験を開始しているものもいくつかあります。

【ワクチンの有効性について】
一般的に、ワクチンには感染症の発症や重症化を予防する効果があります。開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンが、実際に新型コロナウイルス感染症の発症を予防できるか、重症化を予防できるか等については、今のところ分かっていません。

【ワクチンの安全性について】
一般的にワクチン接種には、副反応による健康被害が極めて稀ではあるものの、不可避的に発生します。現在、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンの副反応については臨床試験等でどのようなものが起こりうるか確認されているところです。
日本への供給を計画している海外のワクチンでは、ワクチン接種後に、ワクチン接種と因果関係がないものも含めて、接種部位の痛みや、頭痛・倦怠感・筋肉痛等の有害事象がみられたことが報告されています。
【ワクチンの特徴について】
8月1日現在、国内では、ファイザー社製とモデルナ社製の
2つのワクチンが接種されています。
メッセンジャーRNAワクチンという種類のワクチンで、
ファイザー社製は3週間、モデルナ社製は4週間の間隔で2回接種します。なお、新たにアストラゼネカ社製のワクチン(ウイルスベクターワクチン。4~12週間の間隔で2回接種。)も接種可能なワクチンとして加わることが決まりました。

【ワクチンの有効性について】
新型コロナウイルス感染症を予防する効果があります。接種を受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感
染症を発症した(熱が出たり、せきが出たりすること)人が少ないということがわかっています。(発症予防効果は約70
~95%と報告されています。)また、感染を予防する効果についても、それを示唆する研究結果が蓄積されつつあります。

【ワクチンの安全性について】
接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛などが接種した人の50%以上、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱な
どが10%以上に見られると報告されています。こうした症状の大部分は数日以内に回復しています。
また、接種後にアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)が発生したことが報告されています。もしアナフィラキシーが起
こっても、すぐに対応が可能なよう、予防接種の接種会場や医療機関では、医薬品などの準備をしています。

【今後の接種の進め方について】
接種を行う期間は、令和3年2月17日から令和4年2月末までの
予定です。医療従事者等と高齢者に続き、基礎疾患を有する方、
一般の方への接種を進めています。自衛隊や自治体における
大規模接種会場等での接種や、企業や大学等の職業単位での接種を可能とするなど、接種の加速化を図っています。これからもワクチンの供給や接種が進んでいきますので、お待ちいただいている方も、今後、順次接種いただくことができます。

ワクチン接種は、日本では2021年2月に医療従事者の先行接種、優先接種から順次接種が進められていますが、まだ接種対象全員への接種案内ができておらず、ワクチン接種の予約が取りにくいという話もききます。また、モデルナ社ワクチンでの異物混入の影響で、大規模接種会場でのワクチン接種に影響がでています。今後も動向に注視したいと思います。

新型コロナウイルスの変異株

11.新型コロナウイルスの変異について

新型コロナウイルスの変異については、2020年10月現在の資料にはありませんでした。その後、イギリスやインドで流行した変異株が日本にも入ってきて、従来株が変異株に置き換わっています。

2021年8月では次のように記載されています。

一般的にウイルスは増殖・流行を繰り返す中で少しずつ変異していくものであり、新型コロナウイル
スも約2週間で一か所程度の速度で変異していると考えられています。現在、新たな変異株が世
界各地で確認されており、こうした新たな変異株に対して警戒を強めていく必要があります。

日本では、B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)への置き換わりが進んでおり、スクリーニング
検査での陽性率(機械的な試算)は、全国的には約45%となっています。

【情報更新】上記項目は2021年9月8日に更新され、次の記載に変更となっています。

本では、B.1.617.2 系統の変異株(デルタ株)は、変異株PCR検査での陽性率(機械的な試算)が、全国的に約90%となっています。直近では、各地で 10 割に近い状況と推計され
ており、 B.1.1.7 系統の変異株(アルファ株)からほぼ置き換わったと考えられます


厚生労働省では、新型コロナウイルスのゲノムを解析し、変異の状況を監視しています。世界保
健機関(WHO)や専門家とも情報交換を行い、こうした変異の分析・評価を行うとともに、国内
の監視体制を強化しています。また、変異株事例が確認された場合には、検査や積極的疫学調
査を強化して、感染拡大防止に取り組んでいます。
個人の基本的な感染予防対策は、変異株であっても、3密(密集・密接・密閉)や特にリス
クの高い5つの場面の回避、マスクの適切な着用、手洗いなどが有効です。国民の皆様には、こ
れまで以上に感染予防対策の徹底へのご協力をお願いいたします。
※1 B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)は2020年10月にインドで最初に検出された変異株です。
※2 専門家によると、B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)は、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)よりも感染性が高いことが示唆されるため、注視していく必要があります。ワクチンについては、変異株に対しても二回接種後には有効性を示す研究結果も報告されているなどと評価・分析されています(2021年6月20日時点)。

まとめ

厚生労働省が作成している、新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識について、旧版の2020年10月の資料と比較しました。

重症化しやすいリスクに一部の妊娠後期の方、喫煙歴のある方が追加になっていたり、ワクチン情報が更新されていたり、治療薬が増えていたり、変異株が増えていたりと、1年たらずで色々な情報が増えていることがわかります。

まだまだ先がみえませんが、飛沫感染、接触感染を防ぎ、一日も早くマスクなしで行動できる日がくればいいなと思います。

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